椅子から立つと右膝が痛い60代女性|変形性膝関節症の症例

CASE 07 / 右膝の痛み・変形性膝関節症

膝を気にせず、 友人と買い物を楽しみたい。

食卓や外食先で椅子から立つとき、 右膝のお皿の内側と上方が痛む。 歩き始めは平気でも、 30分ほど歩くと痛みが出る。 整形外科で変形性膝関節症と診断された 60代女性の実際の経過です。

60代女性 右膝の立ち上がり痛 整形外科で診断
今回の症例患者様が椅子に座っている実際の写真
今回の患者様ご本人の写真 (椅子に座っている場面)
患者様が大切にしていたこと 友人に気を使わず、 買い物や旅行を楽しむこと。

実際の施術記録と患者様の申告に基づく症例です。 個人が特定されない形で掲載許可を得ています。 施術回数や経過には個人差があり、 同じ結果を保証するものではありません。

初診時 約30分歩くと痛む

椅子から立ち上がるときにも痛み

6回目の施術後 友人と百貨店巡り

軽い痛みはあったものの、気兼ねなく外出

7回目・卒業時 日常生活の痛み 0/10

筋力・動作には課題が残る状態で自宅運動へ

この症例の概要

困っていたこと: 食卓や外食先での立ち上がり、 長時間の買い物で右膝が痛む。 友人や同行者に気を使うことが負担でした。

評価と対応: 膝の可動性・伸展筋力、立ち上がり動作、 股関節、足・靴を確認。 局所施術から運動療法へ段階的に進め、 靴とインソールも見直しました。

経過: 6回目後には梅田で友人と買い物を楽しみ、 7回目には日常生活での痛み0/10となり いったん卒業。 ただし、筋力差とニーインは一部残りました。

01

立ち上がりが痛く、友人との外出にも気を使う

右膝の痛みは約半年前から続いていました。 膝の内側を打ったかもしれないものの、 発症のきっかけははっきり覚えていないとのこと。 整形外科で変形性膝関節症と診断されていました。

椅子から立つとき お皿の内側と上方に痛み

自宅の食卓や外食先でも、 毎回立ち上がり方を気にすることが ストレスになっていました。

長時間の外出 30分ほど歩くと痛みが出る

歩き始めは平気でも、 買い物や旅行では途中から痛みが出るため、 同行者に気を使っていました。

この方にとっての目標は、 痛みの数値を下げることだけではありません。 友人と気兼ねなく買い物に出かけること も大切でした。

02

初回評価|膝の動き・筋力・立ち上がり

痛む場所だけでなく、 「膝がどこまで伸びるか」 「どのように立つか」 「右脚でどれだけ力を出せるか」 を分けて確認しました。

CHECK 01|膝関節

伸びにくさとお皿の動き

右膝は約−5〜−10°の伸展制限があり、 仰向けでは膝裏とベッドの間に隙間がありました。 膝蓋骨は全方向で動きが小さく、 特に内側・上方への動きが制限されていました。

CHECK 02|痛みと筋力

圧痛・筋力の左右差

お皿の内側・上方に圧痛があり、 深く曲げると内側に軽い痛みがありました。 内側広筋の収縮は触診で弱さや遅れを疑い、 パワーゲージでは右脚の膝伸展筋力が 左より約20%低い値でした。

CHECK 03|動作・足元

ニーインと足部の過回内

椅子から立つと右膝が内側へ入りやすく、 股関節・臀部を使う動作にも課題が見られました。 歩行時の身体の揺れ、足の過回内、 足関節の背屈制限も確認しました。

右膝の伸展 約 −5〜−10°

仰向けで膝裏がベッドにつかない状態

右膝伸展筋力の左右差 約20%低値

パワーゲージによる左右比較・概算

膝伸展筋力は大腿四頭筋全体の力を反映するもので、 内側広筋だけの値ではありません。 触診で感じた収縮の遅れを、 筋電図で測定したわけでもありません。 これらの所見のみで痛みの原因を 断定するものではありません。

03

初回施術|膝の伸びにくさへの対応と再評価

初回は、膝のお皿を動かすモビライゼーション、 大腿四頭筋(特に大腿直筋)のリリース、 膝の後ろ内側にある内側ハムストリングスと 腓腹筋内側頭が近接する部分へのアプローチを 行いました。 さらに、膝蓋下脂肪体の内側周辺に 超音波療法を実施しました。

膝周囲への施術内容を伝えるイメージ画像
施術イメージ 膝の状態に合わせた局所への対応 施術内容を説明するためのイメージです。
施術後、変わったこと・残ったこと

仰向けで右膝裏がベッドにつくようになり、 立ち上がり時の痛みは 5/10程度まで軽減。 一方、立ち上がり時のニーインと 歩行中の身体の揺れは残りました。 歩隔(左右の足を置く横方向の間隔)は 少し狭くなっていました。

膝の可動域や痛みに変化があっても、 動作が同時に変わるわけではありません。 そこで、膝への対応と並行しながら、 筋肉の使い方と立ち上がり動作の練習を進めました。

初回施術前の痛みの正確な数値は 確認できていないため掲載していません。 複数の施術を行っており、 特定の手技だけによる変化とは断定できません。

04

運動療法|ベッド上から立ち上がり動作へ

最初から立位の運動を多く行うのではなく、 ベッド上で筋肉の動かし方を練習し、 徐々に立った姿勢での運動へ進めました。

初回〜2回目

ベッド上で筋肉を動かす

大腿四頭筋セッティング、 股関節外転運動、クラムシェル。 まずは膝や股関節周囲の筋肉を 意識して動かす練習から始めました。

3〜4回目

立位で股関節を使う

セラバンドを使った横歩き(サイドウォーク)、 壁を利用したヒップヒンジで、 臀部や股関節を使う動きを練習しました。

4〜5回目

鏡で膝の位置を確認する

鏡を見ながら椅子から立ち、 右膝が内側に入らないよう意識する練習を追加。 患者様も動きをイメージしやすくなったと 話されました。

院内で立位の股関節や下肢の動きを確認する様子
院内での動作確認 立った状態での動きにも着目 立った状態での身体の使い方を確認する 院内の様子です(参考写真)。

運動を進める際に大切にしたのは、 筋肉を鍛えることだけではなく、 日常の立ち上がりで身体をどう使うか という点でした。

05

靴の長さが合っていても、幅が合うとは限らない

足長は23.5cm。 来院時の靴も23.5cmで長さは合っていましたが、 足に対して靴の横幅が広い状態でした。 足部にはオーバープロネーション(過回内)があり、 足関節の背屈も制限されていたため、 靴と足元の環境も見直しました。

来院時の靴

スケッチャーズ・スリップインズ

23.5cmの手を使わずに履けるタイプ。 長さは適切でしたが、 横幅が足に対して広めでした。

変更した靴

ニューバランス880・Bウイズ

足幅のフィット感と、 歩行中の安定性を考慮して選択しました。

2回目: フォームソティックス・デュアルミディアムを処方。

4回目: 過回内の状態と経過を踏まえ、 内側リアフットウェッジ (後足部の調整パーツ)を追加。

かかとを後方から撮影し補助線で位置関係を示した参考画像
足部評価のポイント かかとの向きも含めて足部を観察 かかとの向きを後方から確認する際の参考画像です。 赤線は位置関係を示す補助線で、 今回の患者様の測定結果ではありません。

4回目の調整後は歩行観察で安定感が増し、 患者様からも「歩きやすくなった」 「地面を蹴りやすくなった」との感想がありました。 立ち上がり時のニーインも 以前より軽減していました。

スリップインズという靴の形式そのものに 問題があるという意味ではありません。 今回の方の足の形や状態に合わせた見直しです。 局所施術と運動療法も並行しており、 靴やインソールだけで痛みが改善したとは 断定するものではありません。

06

全7回の経過|立ち上がり痛と歩ける時間の変化

痛みの申告と日常生活での動作を確認しながら、 局所施術・運動療法・足元の対応を 組み合わせて進めました。

  1. 初診時〜初回施術後 30分歩くと痛む/施術後は立ち上がり痛5/10

    右膝には伸展制限があり、 初回施術後には膝裏がベッドにつくようになりました。 ただし、ニーインは残っていました。

  2. 2回目 ベッド上の運動を継続

    大腿四頭筋と股関節周囲の運動を継続し、 フォームソティックスを処方しました。

  3. 3〜4回目 立位での運動へ/4回目頃に痛み2/10

    サイドウォーク、ウォールヒップヒンジ、 鏡を使った立ち上がり練習を実施。 4回目にはリアフットウェッジも追加しました。

  4. 5回目頃 1時間歩いても痛みなし

    30分程度で痛みが出ていたところから、 1時間ほど歩いても痛みが出なくなったとの ご本人の申告がありました。

  5. 6回目終了後 友人と梅田で百貨店巡り

    一日かけて買い物へ。 途中に軽い痛みは出ましたが、 2/10程度で、以前ほど気にならなかったとのことでした。

  6. 7回目・最終来院 日常生活の痛み0/10で、いったん卒業

    膝の状態と運動を確認し、 残る筋力・動作の課題を説明。 自宅で続ける運動動画をLINEでお渡ししました。

痛みの数値と歩行可能時間は、 患者様の申告に基づく経過です。 歩行時間は同じ条件で計測した 運動負荷テストの結果ではありません。

07

友人との梅田の百貨店巡りを、気兼ねなく

PATIENT’S DAILY LIFE

友人に気を使っていた買い物が、
気兼ねなく楽しめる時間に。

6回目の施術後、 友人と梅田の百貨店を一日かけて巡られました。

右膝には2/10程度の痛みが 少し出ましたが、 「以前に比べたら全然気にならない」と話され、 友人に気兼ねせず買い物を楽しめたことを 喜ばれていました。

痛みが完全になかったわけではありません。 それでも、出かけることへの不安や 同行者への気遣いが、 以前より小さくなったことが大きな変化でした。

次に目指すのは、ご家族との旅行です。

08

7回目で卒業|痛みは0/10、残った課題も確認

7回目の最終来院時には、 日常生活での右膝の痛みが 0/10となり、 膝の伸展制限もほぼ解消していました。 仰向けで膝裏がベッドにつく状態が 維持されていました。

日常生活の痛み 0/10

7回目の患者様の申告

右膝の伸展 ほぼ制限なし

膝裏がベッドに接する状態

膝伸展筋力の左右差 約20% → 約15%

再測定でも差は一部残存

一方、膝を伸ばす筋力にはまだ左右差があり、 急いで立ち上がると右膝が内側に入る動きも 軽く残っていました。 意識すれば修正できても、 自然な動作として定着することは今後の課題でした。

痛みがなくなっても、運動を続けるために

日常生活での目標が達成できたため、 患者様の希望によりいったん施術を終了。 残った課題をお伝えし、 自宅で運動を続けられるよう、 個別のエクササイズ動画をLINEでお渡ししました。

ヒップヒンジ・ステップアップ

股関節を使う練習や、 階段を上る動作の確認

セラバンド・サイドウォーク

股関節外転筋群を使う立位の練習

大腿四頭筋セッティング・膝伸展運動

膝を伸ばす筋肉を働かせる運動

立位での股関節外転・アキレス腱ストレッチ

股関節周囲の運動と足首の柔軟性への対応

運動はこの患者様に合わせて指導した内容です。 卒業後の運動継続状況や長期経過は 確認できていません。 また、ニーインが残っていること自体が 再発を意味するわけではありません。

同じようなお悩みをお持ちの方へ

変形性膝関節症と診断されていても 相談できますか?

医療機関での診断内容とこれまでの経過を伺い、 膝の状態や立ち上がり・歩行を確認します。 状態によっては医療機関への相談をおすすめします。

靴の変更やインソールは必ず必要ですか?

いいえ。足の状態や靴の適合、 生活環境に合わせて必要性をご説明します。 すべての方に同じ靴やインソールを すすめるものではありません。

ご相談・ご予約

膝の痛みだけでなく、
その先のやりたいことまで。

椅子から立つときの膝の痛みや、 長く歩くことへの不安。 生活の中でどんなことに困っているのかも 伺いながら、 膝・股関節・歩き方・足元を確認します。

施術内容や料金については、 状態とご希望に応じてご案内します。

オアシス整骨鍼灸院| 大阪府池田市・阪急池田駅徒歩1分

担当・症例解説:院長 三木 高志

柔道整復師・鍼灸師| 資格・経歴を見る

本症例は整形外科で変形性膝関節症と診断された方の 実際の経過を紹介しています。 当院で診断したことを意味しません。 数値には概算・ご本人の申告を含み、 すべての方に同じ経過や結果が 得られるものではありません。