パンプスで親指の付け根が痛い|外反母趾に悩む40代女性の症例
CASE 05 | 外反母趾の症例
パンプスで立ち仕事。
夕方には親指の付け根が痛む。
仕事でパンプスを履かなくてはならず、毎朝のテーピングが欠かせなかった40代女性。足と靴の評価から始め、痛みの軽減、そして歩き方の改善へと進んだ経過をご紹介します。

実際の施術経過を、個人が特定されない形でご紹介しています。痛みの経過は患者様の申告によるもので、すべての方に同じ結果が得られるわけではありません。
※痛みは各来院時に申告された数値です。初回の数値と、毎回同じ条件で測定した記録はありません。
この症例の概要
悩み:両足の外反母趾。とくに左の親指付け根の内側が、仕事中のパンプス着用で痛む。長く立った日は、帰り道に足を引きずるほどつらいことも。
初回の評価:足長23.0cm・ウイズD。幅広スニーカー、足部の過回内・開帳足、足首と股関節の動き、歩行の様子を確認。
対応と経過:仕事用と普段用の靴にフォームソティックスを処方し、靴の評価と施術・運動療法を実施。3回目にはテーピングが不要になり、6回目の痛みは1/10。現在は歩き方を整える練習を続けています。
パンプスを履くと、夕方につらくなる
朝はそれほど痛くないのに、仕事でパンプスを履いていると徐々に親指の付け根が痛んでくる。長く立った日の帰り道は、足を引きずることもありました。
一方、裸足では痛みがありません。仕事ではヒール約5cmのパンプスが必要で、職場の規定上、足を固定するストラップ付きの靴は選べない状況でした。
仕事中
親指付け根の痛み
両足の母趾の付け根内側が痛み、とくに左が強い状態でした。
出勤前
毎朝のテーピング
テープ代がかかり、貼る場所の皮膚も荒れてきていました。
別の方法を探して、当院へ
外反母趾の変形は何年も前から気になっており、痛みは約2年前から徐々に強くなってきたそうです。SNSで紹介されていた足の運動も試しましたが、目立った変化は感じられませんでした。
以前通っていた治療院では足のマッサージとテーピングを受け、教わった方法を毎朝自分で行っていました。それでも仕事でパンプスを履く生活は続きます。毎朝の手間と費用、皮膚への負担も気になり、ほかにできることはないかと来院されました。
初回に確認した、足と靴・歩き方
痛みがある母趾だけをみるのではなく、足そのものの形、履いている靴、股関節・足首の動き、歩行の様子を一緒に確認しました。
CHECK 01
母趾と足部
両足に外反母趾があり、母趾を手でまっすぐに戻すことは難しい状態。両側の過回内と開帳足も見られました。
CHECK 02
足の実寸と靴
足長は23.0cm、ウイズはD。普段の幅広スニーカーは24.0cmで、中敷きは実測25.0cmでした。
CHECK 03
関節と歩行
足首を反らす動きに強い制限があり、股関節の内旋・伸展も出にくい状態。歩幅が狭く、ペタペタと足をつく歩き方でした。
実際に履いていた靴


ご本人は外反母趾には幅広で大きめの靴が良いと考え、普段のスニーカーを選んでいました。そこで、靴のサイズ表記だけでなく、足の実寸、ウイズ、靴の形状や足の収まり方を踏まえて評価しました。
靴の中には、つま先に必要な余裕(捨て寸)があります。足長23.0cmと中敷き25.0cmという数字だけで、靴が不適合と決まるわけではありません。
変形を無理に戻すのではなく、生活に合う方法を
母趾の変形は、手で動かしても戻しにくい状態でした。そこで、親指をまっすぐにする施術を目的にするのではなく、パンプスを履いて働く毎日の中で、何ができるかを考えました。
足と靴の測定
足長・ウイズを測り、実際の靴の形状や履き方を評価。普段のスニーカーについてもシューズフィッティングを行いました。
靴に合わせたインソール
仕事用パンプスと普段履きスニーカーに、それぞれフォームソティックスを処方しました。
関節への施術と運動療法
足首の背屈、股関節の内旋・伸展の制限に着目し、施術とPNFを用いた運動療法を組み合わせました。
外反母趾なのに、なぜ足首や股関節もみるのか。
歩行時、足首を反らす動きと股関節を後ろへ伸ばす動きが小さく、歩幅も狭くなっていました。母趾の形だけでは分からない、歩くときの体重移動を考えるために、足首や股関節の動きも大切な評価項目になりました。
仕事用と普段用、2種類のインソール
仕事でパンプスを履く必要があることを踏まえ、仕事用と普段用の両方にフォームソティックスを用いました。インソールだけでなく、靴の適合性や身体の動きも合わせて考えた対応です。

三木院長の考え方:外反母趾の形と、日常生活で起こる痛みは分けて考えました。今回の経過から、靴の評価・インソール・施術・運動療法のどれか一つが痛みの軽減をもたらしたと断定することはできません。
毎朝のテーピングが不要になった経過
初回から6回目までは、おおむね週1回のペースで通院。パンプスを履く仕事を続けながら、次のような変化がありました。
- 初回来院時夕方には足を引きずる日も
勤務中に母趾の付け根内側が痛くなり、毎朝のテーピングが欠かせない状態でした。
- 3回目痛み 2/10
長時間の立ち仕事ではまだ痛むものの、以前よりかなり楽に。毎朝行っていたテーピングもしなくて済むようになりました。
テーピングなしで出勤できるように - 6回目痛み 1/10
長く働いた日でも、少し気になる程度になったとのことでした。
仕事中の痛みが軽減 - 現在歩き方の改善へ
痛みが落ち着いてきた後は、2週間に1回のペースで歩行練習に取り組んでいます。
痛みの数字は患者様の申告値です。外反母趾の骨格的な変形が元に戻ったという経過ではありません。
「歩き方もきれいにしたい」新しい目標へ
歩行を動画で撮影し、患者様にも見ていただきました。ご自身の歩き方を映像で見るのは初めてだったそうです。
歩幅が狭く、ペタペタと足をつく歩き方に気づいたことが、新しい目標のきっかけになりました。
痛みが軽くなってきた後は、前足部へ痛みのない範囲で体重を移す練習、立位での股関節内旋のコントロール、歩行後半での骨盤と重心の移動、胸郭と骨盤の連動にも取り組みました。

初回に比べて歩幅がかなり広がり、骨盤の回旋と股関節の伸展も出るようになってきました。以前のペタペタとした歩き方にも大きな変化が見られています。
現在も2週間に1回のペースで、ご本人の目標に向けた練習を続けています。
外反母趾と靴について、よくある疑問
仕事でパンプスを履く必要があっても、相談できますか?
はい。仕事での靴の決まりや、痛みが出る時間帯なども含めてお話を伺います。ただし、靴の形や症状によって対応できる範囲は異なり、状態によっては医療機関での評価をおすすめすることもあります。
外反母趾なら、幅広で大きめの靴が良いのでしょうか?
一概には言えません。足の長さ・幅・ウイズ、靴のつま先の余裕、踵の収まり方などを合わせてみることが大切です。サイズ表記だけで選ばないようにしています。
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今回の患者様には、足と靴の評価をもとに、インソール、施術、運動療法を組み合わせて対応しました。ただし、必要な対応は一人ひとり異なります。インソールの購入を前提とせず、足の状態やお仕事の事情、ご希望を伺いながらご提案します。
施術内容や費用については事前にご説明します。詳しくは料金案内をご覧ください。
写真のうちパンプス・スニーカーは本症例の患者様が使用していた実物です。フォームソティックスと運動療法の写真は説明用であり、今回の患者様本人や施術場面の記録写真ではありません。本症例は当院で確認した身体・動作の所見と経過を紹介するもので、医療機関による診断に代わるものではありません。急な強い腫れや熱感、安静時の激痛などがある場合は医療機関にご相談ください。

