テーピングだけでは治らない? 外反母趾が進行する本当の理由と対策
「足の親指の付け根が痛くて歩きづらい……」
外反母趾にお悩みの方の多くは、「靴が合わない」「歩くときに我慢してしまう」というストレスを抱えています。実は、外反母趾の原因は「靴の問題」だけではなく、歩行時の身体の使い方や母趾(足の親指)の可動域も深く関係していることをご存知でしょうか?
本記事では、外反母趾のメカニズムと、よく聞く「テーピング」や「足指のトレーニング」だけではなぜ改善が難しいのか、その理由をわかりやすくまとめました。外反母趾が気になる方、痛みを繰り返している方はぜひご覧ください。
外反母趾のメカニズム
1. 正常な歩行に必要な母趾の背屈

プッシュオフ時の母趾背屈
- 歩行の最後(地面を蹴り出す動作)では、母趾(足の親指)の付け根が十分に背屈(甲側へ反らせる)することが重要です。
- 約65度程度の背屈があると、効率的な蹴り出しが行え、足裏全体でスムーズに体重を移動できます。
背屈制限があると…
十分に背屈できないと、足全体のバランスを崩し、母趾や足裏のアーチに過度なストレスがかかりやすくなります。これが外反母趾の下地を作る一因となります。
2. 歩行にかかわる主な要因
アキレス腱の硬さ(足関節背屈制限)

- 足首が十分に背屈できないと、かかとが早めに浮き上がり、前足部(特に母趾付け根)に負担が集中しやすくなります。
股関節の硬さ・殿筋(お尻の筋肉)の弱さ

- 股関節周りが硬かったり殿筋が弱かったりすると、骨盤が安定せず、足を外に向けた“外旋歩行”になる傾向があります。
- 足先が外向きに開くと、母趾付け根に横方向のストレスがかかりやすくなります。
足部の過回内(偏平足)

- 内側のアーチが低い(偏平足気味)と、足裏のバランスが崩れ、母趾付け根に余計な負荷がかかるため、背屈制限や変形の進行を助長します。
3. 母趾背屈制限を引き起こす外的要因(靴の要因)
サイズの合わない靴(大きすぎる・小さすぎる)
- 靴の中で足が動きすぎる(大きい場合)
- 指先が圧迫される(小さい場合)
いずれも母趾の正常な動きを妨げ、背屈制限や変形を招く原因となります。
良い靴の条件を満たさない靴
- カカトが柔らかく不安定
後足部がぐらついて歩行中のブレが生じ、足や膝・股関節のアライメントが乱れます。
- 靴底が過度に柔らかい(足の付け根以外でも折れ曲がる)
正しい位置で蹴り出しができず、母趾に無理な力がかかりやすい。
- 靴底が簡単にねじれる(剛性が不足)
不必要なねじれ動作が足や下肢全体に伝わり、外反母趾を含む様々な足部障害のリスクを高めます。

4. 外反母趾が進行するプロセス
- 母趾の背屈が不十分なまま歩行を繰り返す
- アキレス腱や股関節の硬さ、足部アーチの低下などで正常な歩行ができず、常に母趾付け根に過度なストレスが集中。
- 代償動作による荷重の偏り
- 足先が外側に向きやすくなる、足裏アーチが崩れるなどの代償動作が起こり、母趾付け根が横方向から押されるような力を受け続ける。
- 母趾付け根の変形が顕著になる
- 繰り返しストレスが加わることで、母趾が小趾側へ「外反」して曲がり、痛みや炎症、腫れを伴いながら変形が進行していく。
テーピングや足指トレーニングだけでは改善が難しい理由

根本原因の解消にならない
外反母趾の背後には、足首や股関節の柔軟性不足、筋力バランスの乱れ、歩行習慣や靴の問題など、様々な要素が絡み合っています。テーピングや足指のトレーニングは一時的なサポートや機能改善に有効ですが、これらの根本的な原因を解消しない限り再び負担がかかり、変形が進行する恐れがあります。
長期的な負荷が変わらないと変形は進む
たとえテーピングをして母趾の角度を補整しても、歩行時の足首や股関節の使い方が変わらなければ、同じ方向のストレスがかかり続けます。結果として、変形が戻るどころか進行してしまうことも少なくありません。
足以外の部位へのアプローチも必須
アキレス腱や殿筋をはじめとする下肢全体の機能を整え、正しい姿勢・歩行を身につける必要があります。足指周りのケアだけでなく、全身のバランスを見直すことが外反母趾改善の近道です。
まとめ
- 外反母趾の主な原因
- 歩き方(足首・股関節の柔軟性や筋力不足、足部アーチの崩れ)
- 母趾の背屈制限(正常なプッシュオフができない)
- サイズや構造が不適切な靴の使用
- メカニズムの流れ
- 十分な母趾背屈ができず、歩行時に代償動作が起こる
- 母趾付け根に横方向の負荷が繰り返しかかる
- 母趾が外側へ押し出されるように変形していき、外反母趾となる
当院ならではのケアの特長



徹底的なヒアリング&原因分析
足や股関節など身体全体の状態を細かく確認し、外反母趾を引き起こしている真の原因を突き止めます。歩行の癖や普段の姿勢、靴の選び方なども含めて丁寧にカウンセリングを行います。
全身を視野に入れたアプローチ
外反母趾に限らず、膝や股関節、骨盤のアライメント(配列)を整えることが重要です。痛みのある箇所だけでなく、身体全体のバランスを考慮した施術やアドバイスを大切にしています。
歩き方・靴選びのサポート
靴のフィッティングや正しい歩き方の指導によって、足にかかる負担を減らし、外反母趾の再発を防ぎます。サイズや形状の合わない靴を履く習慣を見直すこともケアの一環です。
テーピングやエクササイズだけに偏らない総合的なケア
テーピングや足指トレーニングは有効なサポート手段ですが、当院ではそれらにとどまらず、根本的な問題を改善する施術を目指しています。下肢や骨盤の安定性を高める筋力強化・ストレッチなども含めてトータルにサポートします。
継続的なフォローで快適な足元をサポート
外反母趾は一度の施術で完治するものではありません。患者さまの状態を定期的にチェックし、必要に応じて施術プランやセルフケアを見直していくことで、より良い足の状態を長く維持していただけます。
こんな方におすすめです
- 外反母趾の痛みで歩くのがつらい
- 何度も靴を買い換えているのに合う靴が見つからない
- テーピングや足指体操をしてもあまり改善が感じられない
- 根本から外反母趾をケアし、痛みの出にくい足を目指したい
「痛みを気にせずに歩ける」喜びを、当院と一緒に取り戻しましょう。お気軽にお問い合わせください。
