ウォーキングで膝が痛い原因は?歩数を増やす前に見直したい靴と歩き方
気候が良くなって「歩こう」と思ったのに、膝が痛い
5月中旬になると、朝晩の空気もやわらかくなり、「そろそろ歩こうかな」と思う方が増えてきます。
冬の間はあまり動けなかった。
連休明けから健康のために歩き始めた。
健診が気になって、歩数を増やそうと思った。
買い物や散歩の時間を少し長くしてみた。
そんな前向きなきっかけで歩き始めたのに、膝が痛くなると不安になりますよね。
「歩くことは健康に良いはずなのに、続けても大丈夫?」
「膝の痛みは年齢のせい?」
「歩き方や靴が悪いのかな?」
このように感じている方も多いと思います。
当院でも、5月頃になると「健康のために歩き始めたら膝が痛くなった」「歩数を増やしたいけれど、このまま続けていいのか不安」というご相談が増えます。
先に大切なことをお伝えします
歩くことは健康づくりに大切です。ただし、膝に痛みがある方は「歩数を増やすこと」よりも、まず「膝に負担が集まりにくい歩き方」に整えることが大切です。

厚生労働省の健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023では、成人は1日約8,000歩以上、高齢者は1日約6,000歩以上が目安として示されています。
ただし、膝が痛い状態で「とにかく歩数を増やそう」と頑張りすぎると、かえって負担が強くなることがあります。
大切なのは、歩くことをやめるか続けるかだけで考えないことです。
「なぜ膝に負担が集まっているのか」を見直しながら、無理なく続けられる歩き方を考えていきましょう。
こんな症状はありませんか?
歩き始めたあと、こんな膝の痛みはありませんか?
- 散歩の帰り道で膝が痛くなる
- 歩数を増やした翌日に膝の内側が重だるい
- 階段の下りで膝がズキッとする
- 立ち上がるときに膝がこわばる
- 以前より長く歩けなくなった
- 膝のお皿のまわりが痛い
- 靴を替えてから膝が気になる
- 健康のために歩きたいのに、膝が不安で続けられない
特に多いのは、「健康のために歩き始めたら痛くなった」というケースです。
この場合、歩くことが悪いというより、体の準備ができていないまま急に歩数が増えたり、靴が合っていなかったり、歩き方のクセで膝に負担が集まっていることがあります。
階段や立ち上がり、長く歩いたあとの膝の痛みが気になる方は、変形性膝関節症のページも参考にしてください。
ウォーキングで膝が痛くなる主な原因
ウォーキングで膝が痛くなる原因は、ひとつだけとは限りません。
ここでは、歩き始めた方に多い原因を整理します。
急に歩く量が増えた
気候が良くなると、自然と外出が増えます。
「今日は天気がいいから少し遠くまで歩こう」
「健康のために毎日歩こう」
「まずは8,000歩を目指そう」
この気持ちは、とても良いことです。
ただ、今まであまり歩いていなかった方が急に歩数を増やすと、膝にとっては大きな変化になります。
筋肉や関節は、少しずつ慣れていくものです。
いきなり目標歩数を達成しようとすると、膝の内側やお皿のまわりに負担が出やすくなります。
太ももやお尻の支えが弱くなっている
膝は、膝だけで体を支えているわけではありません。
太ももやお尻の筋肉は、歩くときに膝がグラつきすぎないように支えています。座る時間が長かったり、冬の間に運動量が減っていたりすると、この支えが弱くなっていることがあります。
その状態で急に歩く量を増やすと、膝に負担が集まり、痛みにつながることがあります。
「昔はこれくらい歩けたのに」と感じる方もいるかもしれません。
でも、体は今の生活に合わせて変わっています。
久しぶりに歩き始めるときは、以前の自分を基準にしすぎないことも大切です。
靴が歩く量に合っていない
5月中旬になると、軽い靴や薄い靴を履く機会が増えます。
近所の買い物なら問題なくても、長く歩く日には靴の影響が出やすくなります。
かかとがゆるい靴。
底が薄い靴。
長く履いてすり減った靴。
足が靴の中で前にすべりやすい靴。
靴ひもをゆるめたまま履いているスニーカー。
こうした靴で歩数が増えると、足元が安定しにくくなります。
足元が不安定になると、その上にある膝も余計に支えようとします。膝が痛いときほど、実は靴の見直しが大切です。

足首やふくらはぎがかたい
歩くときは、足首、膝、股関節がつながって動いています。
足首がかたいと、体重移動がスムーズにいきにくくなります。その分、膝が代わりにねじれたり、踏ん張ったりしてしまうことがあります。
ふくらはぎが張りやすい方、足首が動きにくい方、歩くとつま先が外へ向きやすい方は、膝に負担が集まりやすいことがあります。
なぜ5月中旬に膝が痛くなりやすいの?
5月中旬は、膝の痛みが出やすい条件が重なります。
まず、気候が良くなって外に出る機会が増えます。連休中に旅行や買い物でたくさん歩いた方もいるでしょう。反対に、連休中はゆっくり過ごして、仕事や家事が再開してから急に動き出した方もいると思います。
どちらも、体にとっては「いつもと違う使い方」です。
普段より長く歩く。
坂道や階段が増える。
買い物で立ちっぱなしになる。
庭仕事や片づけでしゃがむ。
軽い靴に替える。
こうした変化が重なると、膝に負担が集まりやすくなります。
「歩くと少し楽になるから大丈夫」と思う方もいますが、痛みを繰り返している場合は注意が必要です。
その場では歩けても、翌日に膝が重だるくなるなら、歩く量や靴、歩き方を見直すサインかもしれません。
歩数の目安は大切。でも、痛みがあるときは比べすぎないでください
厚生労働省の資料では、健康づくりの目安として、成人は1日約8,000歩以上、高齢者は1日約6,000歩以上が示されています。
この数字を見ると、「私も8,000歩を歩かないと」と思う方もいるかもしれません。
でも、膝に痛みがある方にとって大切なのは、いきなり目標歩数を達成することではありません。
これまで3,000歩ほどだった方が、急に8,000歩に増やす。
膝が痛いのに、決めた歩数を無理に達成しようとする。
痛みを我慢して歩き続ける。
これはおすすめできません。
厚生労働省のアクティブガイド2023でも、「今より10分多く体を動かす」という考え方が紹介されています。
膝に不安がある方は、まずは今の生活より少しだけ増やす。
痛みが出ない範囲を探す。
翌日に痛みが残らない量にする。
この方が、長く続けやすくなります。
歩くことは、健康のために大切です。
でも、膝の痛みを無視して頑張ることとは違います。
痛い場所だけを見ても、原因が見えにくいことがあります
膝が痛いと、どうしても「膝の中が悪いのかな」と考えます。
もちろん、膝そのものの状態を確認することは大切です。腫れがあるか、熱をもっていないか、動かしたときに引っかかりがないかなどは、見逃したくないポイントです。
ただ、膝の痛みは、膝だけを見ても原因が見えにくいことがあります。
たとえば、靴の外側ばかりすり減っている。
かかとが安定していない。
足首がかたく、膝が内側へ入りやすい。
立っているときに片足へ体重をかけるクセがある。
ふくらはぎが張って、歩幅が小さくなっている。
こうしたことがあると、歩くたびに膝へ同じ負担がかかります。
オアシス整骨鍼灸院では、膝の痛みであっても、膝だけを見るのではなく、靴、歩き方、立ち方、足首、ふくらはぎ、股関節、日常の体の使い方まで含めて整理します。
足元の状態や体重のかかり方を詳しく確認したい方は、足部の検査ページもご覧ください。
「膝が痛いから膝だけ」ではなく、
「なぜ膝に負担が集まっているのか」を見ることが大切です。
自分で見直したいこと
膝が痛いときは、まず歩数を増やす前に、今の歩き方や靴を見直してみましょう。
まずは歩数を急に増やしすぎない
健康のために歩くことは良いことです。
ただし、膝が痛いときは「毎日8,000歩」と決めすぎなくても大丈夫です。
今まであまり歩いていなかった方は、まずは今より10分だけ増やす。
痛みが出る日は距離を短くする。
坂道や階段を避ける。
翌日に痛みが残るなら、少し減らす。
このくらいの調整から始めましょう。
靴のかかとを確認する
よく履く靴のかかとを見てください。
外側だけ大きくすり減っていませんか。
履いたとき、かかとが浮いていませんか。
靴ひもをゆるめたまま歩いていませんか。
かかとが安定しない靴は、歩くたびに足元がぶれやすくなります。そのぶれを膝が受け止めることがあります。
長く歩く日は、見た目の軽さだけでなく、足が靴の中で安定するかも大切です。
靴のかかとの安定感については、ウォーキングがラクになる靴のかかとの見方でも詳しく紹介しています。
歩く場所と休憩を考える
膝が痛いときは、歩く場所も大切です。
いきなり坂道、階段、でこぼこ道を歩くより、平らな道から始める方が安心です。
買い物ついでに歩く場合も、荷物が重くなると膝への負担が増えます。帰り道に痛くなりやすい方は、荷物の量や歩く距離も見直してみてください。
長く歩くと足もつらくなる方は、長時間歩くと足が痛い原因と靴の見直し方も参考になります。
ふくらはぎと足首をやさしく動かす
歩く前後に、足首をゆっくり回したり、ふくらはぎを軽くさすったりするだけでも、体が動きやすくなることがあります。
ただし、痛いのを我慢して強く伸ばす必要はありません。
「気持ちよい範囲」で十分です。
自己流で強く押したり、痛みをこらえてストレッチしたりすると、かえって痛みが強くなることもあります。

こんなときは、まず整形外科へ相談してください
膝の痛みがあるとき、すべてをセルフケアや整骨院だけで何とかしようとする必要はありません。
次のような症状がある場合は、まず整形外科へ相談してください。
- 膝が大きく腫れている
- 熱をもっている
- じっとしていても痛い
- 歩くのが難しい
- 体重をかけると強く痛い
- けがをしたあとから痛みが続いている
- 膝が引っかかって動かしにくい
- しびれがある
- 痛みがだんだん強くなっている
- 数日休んでも改善しない
整形外科では、必要に応じてレントゲンなどで骨や関節の状態を確認できます。
腫れや熱感がある場合、けがのあとから痛む場合、体重をかけられない場合は、先に医療機関で確認しておく方が安心です。
大きな問題がないことがわかれば、その後は靴や歩き方、体の使い方を落ち着いて見直しやすくなります。
オアシス整骨鍼灸院ではどう考えるか
オアシス整骨鍼灸院では、膝の痛みを「歩きすぎだから仕方ない」と片づけないようにしています。
歩くことは、健康のために大切です。
でも、膝に負担が集まりやすい歩き方のまま歩数だけを増やすと、痛みを繰り返すことがあります。
そこで、膝の状態だけでなく、次のような点も含めて確認します。
- 靴は合っているか
- かかとは安定しているか
- 歩くときに足が外へ流れていないか
- 膝が内側へ入りすぎていないか
- 足首やふくらはぎがかたくなっていないか
- 立ち方や日常動作で片側に負担が寄っていないか
大切なのは、「膝が痛いから歩くのをやめる」ではなく、
「膝に負担が集まりにくい歩き方に近づける」ことです。
膝だけでなく、歩き方や靴、体の使い方まで含めて見直したい方は、全身リカバリープランもご覧ください。
気候が良くなって、歩きたい気持ちが出てくる時期だからこそ、無理なく続けられる体の使い方を一緒に整理していきます。
よくある質問
Q1. 膝が痛いときも、健康のために歩いた方がいいですか?
強い痛みがある日は、無理に歩かない方が安心です。
腫れや熱感がある場合は、まず休ませることが大切です。痛みが軽い場合でも、歩数を急に増やすのではなく、短い距離から様子を見ましょう。
Q2. 1日8,000歩を目指した方がいいですか?
健康づくりの目安としては大切な数字です。
ただし、膝に痛みがある方は、いきなり8,000歩を目指さなくても大丈夫です。今より少し増やす、翌日に痛みが残らない量にする、という考え方から始めましょう。
Q3. 歩くと膝が痛いのは、靴のせいですか?
靴だけが原因とは限りません。
ただ、靴が合っていないと足元が不安定になり、その影響が膝に出ることがあります。特に、かかとがゆるい靴や底がすり減った靴は見直してみてください。
Q4. ウォーキングを再開するなら、何から始めればいいですか?
まずは短い時間から始めましょう。
平らな道を選び、痛みが出る前に終えるくらいで十分です。歩数よりも、痛みの出方と翌日の状態を見ながら調整することが大切です。
まとめ
5月中旬は、気候が良くなり「歩こう」と思う方が増える時期です。
歩くことは健康づくりに大切です。
ただし、膝に痛みがある方は、目標歩数だけを見て頑張りすぎないことが大切です。
急に歩数を増やす。
合わない靴で長く歩く。
足首やふくらはぎがかたいまま歩く。
歩き方のクセで膝に負担が集まる。
こうしたことが重なると、健康のためのウォーキングが膝の痛みにつながることがあります。
腫れ、熱感、しびれ、けがのあとからの痛み、歩けないほどの痛みがある場合は、まず整形外科へ相談してください。
大きな異常がないのに膝の痛みが続く場合は、膝だけでなく、靴や歩き方、足元の使い方まで見直すことが大切です。


